緑の分権改革

緑の分権改革

自然資源を利用した、地域におけるエネルギー自給率の向上、そして、ニセコの創富力(富を生み出す力)を高める事業です

「緑の分権改革」とは(総務省ホームページから)

 地域主権型社会を確立するためには、行財政制度のみならず、エネルギーや食料の供給構造をはじめとした個々人の生活や地域の経済等における地域主権を目指すことが求められています。
 そのため、それぞれの地域資源(豊かな自然環境、再生可能なクリーンエネルギー、安全で豊富な食料、歴史文化資産、志のある資金)を最大限活用する仕組を地方公共団体と市民、NPO等の協働・連携により創り上げ、地域の活性化、絆の再生を図ることにより、地域から人材、資金が流出する中央集権型の社会構造を分散自立・地産地消・低炭素型に転換し、「地域の自給力と創富力(富を生み出す力)を高める地域主権型社会」の構築を実現しようとするものです。
緑の分権改革について、詳しくは次のホームページをご参考ください。

平成23年度事業の概要

 昨年度「緑の分権改革」推進事業で、自然エネルギーの賦存量、利用可能量調査と実証実験に取り組んできた結果、特に雪氷熱については大きな賦存量があることがわかりました。そして、豊富に降り積もる雪から生まれる豊かな水資源があります。今後の具体的な事業化に向けて、地域資源の活用・事業化や域内循環を高める仕掛けづくりとモデル構築を目指し、需要と供給のバランスを考慮して利用可能と考えられる自然エネルギー資源について、さらに詳細にデータを把握し、具体的な環境・システムのあり方や事業化の仕組みなどについて明らかにすることが必要です。そこで、「緑の分権改革」調査事業を活用し、自然エネルギーの賦存量と利用可能量を再整理するとともに、具体的な事業化に向けた検討と実証調査を、下記のとおり行いました。
報告書も下記からダウンロード可能ですので、是非、ご覧ください。

1.基礎調査

 自然エネルギー資源の活用には、事業計画を検討する前に、可能な限り多くの可能性を検討することが望ましい。ニセコ町の更なる可能性を把握するため、より精度の高い基礎調査を行う。

1)賦存量調査

 昨年度の調査に加えて中小水力(マイクロ水力以外)、太陽光発電、風力発電、太陽熱利用、温度差エネルギーについて、賦存量、利用可能量を把握する。

2)エネルギー使用実態調査

 ニセコ町の一般世帯、公共施設やリゾートホテルを含む商業・業務施設、農業施設のエネルギー使用状況について、熱需要(暖房、給湯、融雪)と電力需要、更に冷熱需要に分け、実態を把握する。また、電力に関しては町外、特に大都市での需要量も把握する。

3)自然エネルギー需給バランス表の作成

 エネルギー使用実態調査(需要)と賦存量調査(供給)の結果をもとに、ニセコ町における再生可能エネルギーに係わるエネルギーバランス表を作成する。

2.地域活性化事業プロジェクトの検討

 基礎調査で作成した需給バランス表をもとに、再生可能エネルギーの活用法を住民参加により議論し、地域活性化モデルプロジェクトを検討・立案する。自然エネルギー資源は通常地域に広く存在しているため、その利用に関しては地域住民とのコンセンサスが非常に重要になるが、ニセコに根付いた住民自治プロセスが、自然エネルギー資源を活用し事業化するプロセスにおいて、非常に重要なポイントになると考えられる。
今年度は、雪氷と水エネルギー資源の利用を中心に、下記1)~4)の事業プロジェクトを想定し、地域資源の利用と事業化に向け、住民参加による議論と検討を行う。検討にあたっては、ビジネスモデルの構築だけでなく、キャッシュフローや事業リスク評価など、事業の実現性を詳細に検討し、合わせて地域金融機関との連携、市民出資ファンドなど、地域へ資金が循環する仕組みも検討する。プロジェクトの展開にあたっては、J-VER制度の適用等も検討する。検討する際には地域の他の開発計画との連携にも配慮する。専門知識が必要な部分も想定されるため、町外部のネットワークも活用してより現実性のある検討を目指す。また、事業化において想定される規制的課題、地域特有の技術的課題、コスト的課題について検討する。

4つの検討プロジェクト

 ニセコ町は世界に誇る豊富な雪と、雪をたたえた山々から流れる水資源に恵まれた土地である。これらを活かすため、本事業の検討で取り組むプロジェクトは以下を想定する。

1)リゾート型ITオフィスとホワイトデータセンターを核とした新地域産業コアの検討

 自然環境豊かなニセコでは早い時期から光ファイバー網が整備されており、勤務場所を選ばないIT企業等にとっては、魅力的なリゾートオフィスとしての立地条件を備えている。また豊富な雪は断熱被覆することで夏季に巨大な冷熱源として使用できる。そこで、雪冷房を使用したIT企業やコールセンターなどのリゾートオフィスと、大きな熱を発しそれを冷やす必要があるデータセンターの建設を既存施設の利用も含めて検討する。また、冬期間はデータセンターからの廃熱をオフィスや地域の暖房熱源とすることもできる。施設の規模と必要熱量のシミュレーションを行うとともに、地域の熱エネルギー循環を中心にした新しい形の産業コアの形成と、事業による地域への経済波及効果、雇用創出効果等を検討する。

2)雪氷熱利用型大規模食料備蓄プロジェクトの検討

 わが国の食料供給基地である北海道として、安心・安全な農作物の安定供給を図るため、産地における「大規模食料備蓄プロジェクト」を推進し、本町の基幹産業である農業の収益改善を図る。昨今の国内電力事業を考慮し、冷熱源には地域特有の再生可能エネルギーである雪氷を活用するが、全国的に見ても大規模食料備蓄倉庫として雪氷を活用した実績はない。このため、本事業において、事業モデルを立案し、学識経験者や専門家の意見を伺い、技術的、コスト的課題の整理、解決に向けた対策を検討する。

3)雪氷熱エネルギー地産地消型プロジェクトの検討と実証実験

 近年需要が高まりつつある冷房需要対策として、地域に豊富に賦存する雪氷冷熱を活用した地産地消型プロジェクトを展開する。具体的には、農作物用の鋼製コンテナを利用した「雪氷ユニット」を冬季に準備し、これを冷熱需要施設に提供する事業を展開する。実証実験としては断熱被覆保存してある雪山を利用し、農家倉庫で使う雪氷ユニットを作成し、温度と湿度計測などを行うとともに、効率性、経済性を検討する。雪氷ユニットの作成、提供、運用を行う事業の実現性を検討する。

4)中小水力発電事業に向けた検討

 一級河川尻別川をはじめとして、本町に賦存する水力発電のエネルギー量の資料を収集し、発電事業を行うための検討を行う。水力発電によって得られる電力は、地域及び都市部へ売電することが考えられるが、上記データセンター等で利用できる可能性も検討する。このプロジェクトに関しては具体的な実証実験は実施しないが、事業化にあたって障害となる自然環境保全との両立や、水利権等の課題を明らかにするための検討を行う。

平成22年度の事業内容

 平成22年度に実施した「緑の分権改革推進事業」については、事業の概要を、こちらのページに掲載しています。実績報告書も全てPDF形式でダウンロードできます。

緑の分権改革に関する情報共有

 緑の分権は、地方公共団体と住民との協働・連携により創り上げる事業です。みなさんの積極的な参加で、その成果はより大きくなるはずです。緑の分権推進係では、みなさんと情報を共有しながら、協働してこの事業を行っていきたいと考えております。是非、積極的なご参加をお願いいたします。

緑の分権推進委員会

雪氷倉庫実証実験の町民見学会

 緑の分権改革調査事業として行っている、雪氷倉庫実証実験について、町民のみなさんを対象に見学会を開催しました。見学会の様子は、ニセコ町公式Ustreamチャンネルでご覧いただけます。
 ニセコ町緑の分権改革について、いろいろな情報を掲載しています。「緑の分権推進委員会」をはじめ、事業の取組み状況などを随時アップデートしていきます。是非、ご覧ください。

このページの情報に関するお問い合わせ先

企画環境課環境モデル都市推進係
TEL:0136-44-2121
FAX:0136-44-3500