建築物再生可能エネルギー設備導入検討マニュアル

マニュアルの目的

 このマニュアルは、ニセコ町内で新たに建物を建てる際、太陽光や地中熱などの再生可能エネルギーを利用するための設備を導入していただくにあたって、その検討を円滑に進めるための参考資料として策定したものです。

 

建物を建てる際、ニセコ町の地域特性を踏まえて留意する事項

◆寒さや気温差への対策
 ニセコ町は、季節ごとの気温の変動や気温の日較差が大きく、暖房を使用する期間が長いのも特徴です。暖房に使用するエネルギーの量を抑えるとともに、温度差の少ない、快適な室内環境を実現するためには、建物の内外で熱の出入りが少ない、気密性の高い建物とすることが望ましいでしょう。

◆雪への対策
 降雪・積雪の多い地域であることから、建物への堆雪を想定し、どのような構造の建物にするのがよいか、敷地やその周辺の環境なども踏まえて検討する必要があります。
また、道路から建物の玄関までのアプローチや駐車場の除雪対策も、併せて考えるとよいでしょう。

◆日射量や通風の対策
 夏場は暑さ対策として日射の遮蔽や通風を考える必要がある一方、冬季は、室温を保つために日射熱を取り入れると、エネルギーの使用量を抑えることができます。季節に応じて、日射をコントロールすることを考えるとよいでしょう。
 

エネルギー消費量・費用

 北海道(推計値)での家庭用用途別エネルギー消費量、世帯あたり年間エネルギー種別支払金額は、次の図のとおりです。

 エネルギー消費量が多いのは、暖房や給湯に使用する熱エネルギーと、照明などを含む動力他の電力エネルギーとなっています。 
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 また、エネルギー消費により家庭が負担している費用(光熱費)は、平成30(2018)年度の環境省調査結果によると、北海道内における世帯あたりの年間のエネルギー費用は22.5万円で、全国平均(17.4万円)の約1.3倍となっています。積雪寒冷地の北海道では、光熱費に多額の出費をしていることがうかがえます。 
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建物のエネルギー性能とその効果

 建物のエネルギー性能を高めることは、CO2排出量の削減といった環境面だけにとどまらず、コスト削減や健康面など、様々なメリットがあります。
 

<ライフサイクルコスト削減>
 建物の断熱性能が高いほど、建設コストは高くなりますが、エネルギーの消費量が抑えられ、月々の光熱費は従来より少なくて済みます。
 そこで、断熱性能のレベルを3ランクに分けた場合の建設コストや年間の冷暖房費などについて、北海道内におけるデータを使って次の表のとおり整理しました。また、建築コストと毎年の冷暖房費を積み上げて支出金額の総額(ライフサイクルコスト)を比較したのが次のグラフです。高性能なスタンダード住宅の建設コストはミニマムより100万円以上高くなりますが、毎年の冷暖房費の支出が削減されることで、総額は約20年で逆転することになります。
 
 建設にかかる費用をいくら用意できるのか、その資金計画を立てつつ、どのレベルの性能の建物にして毎月の光熱費を抑えるか、検討を進めることになります。
 ニセコ町としては、温室効果ガスの排出削減のため、スタンダード(高性能)以上の断熱性能の建物が望ましいと考えています。
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基本的な考え方、検討手順

 エネルギー性能の高い建物の新築・改築を検討する際の基本的な手順を、(マニュアル本文では)省エネ技術などの関連する技術と合わせて説明しています。
 考え方をわかりやすく整理すると、次の図のように、「1.エネルギー利用の観点」、「2.再生可能エネルギー導入の観点」の順に検討するとよいでしょう。
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 1.エネルギー利用の観点においては、まず、建物の構造や形を工夫し、日射や外気をうまく取り入れることによって、断熱性能が高くエネルギー損失の少ない建物にすることを検討します。つまり、必要とするエネルギーの量ができる限り少なくて済むようにし、CO2排出量を抑えるということです。

 次に、冷暖房や照明、給湯などの機器の高効率化、つまり少ないエネルギーの量で効率よく使用できる機器の導入を検討します。その際、建物の規模や構造に合った能力の機器を選択することが大切です。過大な能力の設備にしてしまうと、必要以上にエネルギーを消費してしまうことになります。

 こうして、使用するエネルギーの量が少なくて済むような工夫をした上で、2.再生可能エネルギー導入等の観点から検討します。

 化石燃料の代替として再生可能エネルギーを使用するための技術を取り入れると、化石燃料の使用により排出されているCO2を更に削減することができます。
 

マニュアル本文

 以下からマニュアル本文をダウンロードできます。
 ニセコ町内で新たに建物を建てる際、ぜひ、参考にしてください。
 

このページの情報に関するお問い合わせ先

企画環境課
TEL:0136-44-2121
FAX:0136-44-3500