水資源保全全国自治体連絡会シンポジウムin北海道ニセコ町

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 地域の水資源がその地域の貴重な財産であるという認識のもとに、水資源の保全を図り、将来に渡り有効活用できるよう、関連自治体等の連携による情報ネットワークの構築を目指して、平成26年7月に水資源保全全国自治体連絡会が設立されました。
 今回この協議会が主催し、「限りある水資源を守り伝えるために~住民参加による持続可能なまちづくりの取組から~」というテーマのシンポジウムをニセコで開催し、108名の皆様にご参加いただきました。
 
日程 平成30年10月4日(木)
会場 ヒルトンニセコビレッジ
名称 水資源保全全国自治体連絡会シンポジウム in 北海道ニセコ町
主催 水資源保全全国自治体連絡会
共催 北海道ニセコ町、水循環基本法フォローアップ委員会
後援 水制度改革議員連盟、水循環政策本部、国土交通省、環境省、農林水産省
 シンポジウムは、水資源保全全国自治体連絡会副会長の鳥取県日南町 増原町長の開会宣言から始まり、連絡会会長挨拶として長野県佐久市 栁田市長、開催地挨拶としてニセコ町 片山町長のそれぞれが、限りある水資源をどのように守り伝えていくかということをそれぞれの自治体の事例などを交えてスピーチを行いました。
 その後、北海道大学大学院農学研究院の柿崎教授が「協働とルールがまもる地域・水・流域」というテーマで基調講演を行っていただきました。道東酪農地域における河川の自然再生・地域再生を目指す取組の事例や、アムール川がオホーツク海・親潮域にもたらす影響などを紹介し、単純に水資源を「量」として考えるだけではなく、良好な流域生態系を維持、再生していくことの大切さを伝えてくださいました。
 次に講演をしていただいたのは、公共財団法人東京財団政策研究所研究員の吉原さん。「水資源の保全と土地制度の課題~地域の資源を次世代に適切に引き継ぐために~」というテーマでお話しいただきました。所有者不明土地問題がなぜ起こるのか、その上で現行制度の問題点と今後の動向について、全国の実態を紹介しながら水資源保全の観点から必要な対策についてのお話をしていただきました。
 その次は事例報告として、北海道総合政策部政策局計画推進担当局の谷内局長から「北海道水資源の保全に関する条例」について、ニセコ町企画環境課の山本課長から「ニセコ町のまちづくり」について、尻別川の未来を考えるオビラメの会の川村事務局長から「有島ポンドでのイトウ飼育展示を通じた流域連携」についてお話いただきました。
 最後に、「限りある水資源を守り伝えるために~住民参加による持続可能なまちづくりの取組から~」というテーマで、コーディネーターとして吉原さん、パネラーとして柿澤教授、栁田市長、片山町長の4名によるパネルディスカッションが行われました。栁田市長からは佐久市での森林条例を作り運営している上で理念と経済的なメリットの両立のバランスをとる大切さの話や、樹冠遮断等の専門的な話にも言及。東京大学大学院農学生命科学研究科の蔵治教授も飛び入りで参加されるなどの盛り上がりを見せました。
 また、吉原さんから「普段なかなか実感することのできない水の大切さについて、どのように日常的に関心を高めてもらえるようになるか」という質問があると、片山町長は、地方自治体が条例を作って行くことでムーブメントが起き、国が動き出す可能性もあることに言及。だからこそ、住民自治を背景としてチャレンジして行く姿勢が大切であることや、その上でいかに情報発信を主体的に行い、正しい情報を住民に届けられるかが関心を高める方法として考えられると答えました。また、柿澤教授は、水資源の問題をあまり身構えずに、例えば魚釣りやラフティングなどのような水との関わり合いをきっかけとして水問題に関心を持ってくれる人は出てくるからこそ、水資源の問題を直球で投げるだけではなく、それぞれの関心で繋げられるところから繋げていくという色々な回路を考えていくことが大切との意見も出ました。
 こうして、約4時間に渡るシンポジウムは終了し、その後に開かれた懇親会ではニセコ地酒やワインなどが振る舞われた他、羊蹄太鼓保存会による太鼓の演奏なども執り行われる中、それぞれが親睦を深めました。

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