駒澤千波展「そらのもり」-有島記念館若手作家展IV 平成の「生れ出づる悩み」コンテスト入選者より

Japanese Paintings Exhibition Komazawa Chinami"Forest in the Sky"

 このたび、当館では、2015年12月より「有島記念館若手作家展IV」として「駒澤千波展」を開催いたします。

駒澤千波「支流」2015年

 当館が顕彰する有島武郎は、大正期を代表する白樺派の小説家であるとともに、明治期の北海道における美術史にも大きな足跡を残しています。1908年(明治41年)、東北帝国大学農科大学(現・北海道大学)美術同好会・黒百合会の創設に関与します。武郎は同会個展では自ら描いた絵画作品などを発表するほか、美術雑誌としての側面を持つ『白樺』同人でもあることから、後期印象派の複製絵画やロダンの彫刻作品を展示紹介していました。

 この個展で武郎の絵画作品に深い感銘を受けたのは、若き日の木田金次郎です。これをきっかけに、2人は親交を持ちます。そして、木田は武郎の励ましを受けながら、郷土・岩内の自然と対峙して孤高の画業をきわめていきます。また、この武郎と木田との出会いをモデルとして、武郎の小説「生れ出づる悩み」が発表されました。
 当館では、このような武郎の美術振興や若手芸術家を応援した精神を継承し、中高生を対象とした「有島武郎青少年公募絵画展」を1989年より開催してきました。また、北海道を軸に活動している35歳以下の芸術家を対象とし、2010年から隔年ごとに「平成の「生れ出づる悩み」コンテスト」を岩内・木田金次郎美術館と札幌・北海道開拓の村とともに開催し、若手芸術家の発表機会を提供しています。このコンテストは、作品に加え、芸術家の悩みも審査対象とし、審査員が応援したい芸術家を選出する異色のコンテストです。
  本展では、過去3回行われた同コンテストの入選者に焦点を当て、近年、活発な活動を続ける2人の作家を招聘しました。
 駒澤千波(同コンテスト第1回入選)は日本画家として、その確かな表現力を駆使し、動物や植物などをモチーフとした独自の世界観を持つ作品を描いてきました。個展やグループ展などにも作品を多く出品し、精力的に創作活動を行っている若手作家です。本展では、約40点の作品を紹介します(途中、展示替えあり。作品の数が減ることもあります)。(敬称略)

開催期間

2015年 12月19日(土曜日) ~2016年6月12日(日曜日)

関連事業

詳細が決まり次第、お知らせいたします。

会場

有島記念館 特別展示室

展覧会ポスター・ポストカード

料金

常設展観覧料のみで鑑賞可

アクセス・交通案内

有島記念館
〒048-1531 北海道虻田郡ニセコ町字有島57番地
電話番号:0136-44-3245
FAX番号:0136-55-8484

このページの情報に関するお問い合わせ先

ニセコ町有島記念館
TEL:0136-44-3245
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