鮫島惇一郎植物画展「北ぐにの花絵本」

鮫島惇一郎植物画展「北ぐにの花絵本」

 植物画(ボタニカルアート)は、植物を見分けるのに必要な図鑑に載せるために発達してきました。したがって、対象となる植物を緻密に観察し、作者の誇張を加えることなく正確に描く必要があります。また、実物大で描写し、背景を白とするなどの決まりもあります。しかし、そのような制約はあるものの、そこに宿る美しさに惹かれて、近年、日本では植物画を描く愛好者が増え始めています。

 鮫島惇一郎さんは、少年時代、学校の先生の影響から植物に興味を持ち、植物のスケッチをはじめます。そして、北海道大学に進学して本悪的に植物を研究するとともに、北海道に生きる植物を今に至るまで多く描いてきました。本展では、滝川市美術自然史館に収蔵されている鮫島さんの植物画コレクション110点をご紹介します。
 鮫島さんの植物画を観たあとは外に飛び出し、豊かな自然に囲まれた有島記念館周辺に生きる「草」や「花」、「木」に触れてみてください。もうその時はきっと、今までは名もなき植物と思っていたものにも、名前があり、季節ごとの美しさがあることをみなさんは知っているはずです。そして、これからは、いつも何気なく歩いている道でさえも、そこに根付く植物との出会いに満ち溢れ、今までとは違った風景の見え方がして、日々の生活に楽しみがひとつ加わるのではないでしょうか。

鮫島惇一郎略歴

 1926年、東京市(現・東京都)生まれ。幼い頃、札幌に移り住む。1950年、北海道大学理学部植物学科卒業。同大理学部助手などを経て、1956年、林野庁に出向し、農林省林業試験場北海道支場育種研究室に勤務。育種研究室長、造林第二研究室長を歴任し、1985年辞職。現在は「自然環境研究室」を主宰し、自然観察や自然環境保護などについて講演や執筆活動等を行う。

  主な著書は『エンレイソウ』(1974年、北海道テレビ放送)、『草と樹』(1977年、北海道新聞社)、共著『北海道森と林』(1979年、同)、共著『札幌から見える山』(1981年、北海道大学図書刊行会)、共著『新版北海道の花』(1977、同)、共著『原色図譜エンレイソウ属植物』(1987年、同)など多数。このほか、長らく雑誌『北方林業』の表紙写真とそれに添えるエッセイを手がけ、それらをまとめた写真集『北方林業表紙写真集』(北方林業会)を1999年、2008年、2013年に刊行している。

 当企画展で展示している作品を収めた『画文集 北ぐにの花暦』(1800円)も好評発売中です。

ポスターとチラシ

展示会期

2015年6月20日(土曜日)~10月12日(月曜日・祝日)

会場

有島記念館 特別展示室

料金

常設展観覧料のみで鑑賞可

アクセス・交通案内

有島記念館
〒048-1531 北海道虻田郡ニセコ町字有島57番地
電話番号:0136-44-3245
FAX番号:0136-55-8484

このページの情報に関するお問い合わせ先

ニセコ町有島記念館
TEL:0136-44-3245
FAX:0136-55-8484