1:『ニセコ町環境基本計画』とはどんな計画か

(1)計画策定の趣旨

1)計画策定の目的

 自然環境の恵みを受けて農業や観光を中心として地域文化を育んできたわたしたちの町が、将来にわたって持続的な発展を遂げるために、すべての源である自然環境を守り育てる『ニセコ町環境基本計画』(以下、「本計画」といいます)を策定します。本計画では、地域の産業や生活が、自然環境の中でもとりわけ河川や地下水などの水循環に支えられてきたことを重視し、水循環(水環境)の保全を中心にして、自然生態系や地域生活文化を守り育てることを主な目的とします。

2)計画の適用範囲

 本計画は、ニセコ町全域の水環境の保全を中心に策定しています。水環境と深い関連がある自然緑地や農地などの緑環境、そして、ゴミの資源化を図る物質循環の回復、地球温暖化の原因となっている人為的膨大な二酸化炭素等排出の削減などを計画策定の対象範囲とします。

3)計画の期間

 環境は、私たちの暮らしや産業の様々な要因によって影響を受けたり、逆に影響を与えたりしています。したがって、環境問題の解決は、およそすべての地域課題と密接に関連しています。つまり、本計画は『ニセコ町総合計画』と一体のものとしてその実現を図ることが望ましいと言えます。このような理由から、本計画の期間を、『ニセコ町総合計画』と同様、平成14年度から平成23年までの10年間とし、途中5か年を経過した18年度に中間的な見直しを行います。

(2)計画の位置づけ

1)計画策定の役割分担

 ニセコの環境は、農業や商工観光業など地域を支える産業や、まちづくりの町民連携を支えてきた行政だけでなく、私たち町民一人ひとりの暮らしづくりによって、今の姿になったのです。自然生態系は、すべての生物が複雑に関与することによって変化しつつ持続しています。私たちの地域社会の環境も、野生生物を含むすべての活動主体が当事者です。したがって、子供から高齢者までのすべての町民、事業者、行政が、それぞれのかかわりに応じて役割を分担し、この恵まれたニセコの環境を守り育てなければなりません。
 本計画は、このような考え方から私たち町民が主体となって行政と協働で策定を進めてきたものです。町民の有志でつくった「ニセコの環境を考える会」が、ニセコに生息する動植物の調査・分析を進める一方で、計画の素案を考えました。また、熊本県水俣市で実践されている「地元学」(注1)の手法を用いたワークショップ(注2)を行い、私たちの足元にある自然環境について再認識しました。これらをもとに町民検討会や環境問題講演会などで町民全体の意見交換を行うとともに、インターネットの本町ホームページ上でも計画案の情報を広く共有しました。そして、公募町民で構成された「環境審議会」がこれを十分審議し、策定されたものです。
計画策定の役割分担
  • 注1:「地元学」=地元の人が主体になって、地域外の人の視点や助言を得ながら、地元のことを客観的に知る取組みを指します。地域の個性を自覚することを第一歩に、外から押し寄せる変化を受けとめ、地域の個性に照らし合わせて自問自答しながら、地域独自の生活(文化)を日常的に作り上げていく「現場重視の知的創造活動」です。地元学協会事務局長の吉本哲朗さん(熊本県水俣市)の指導を受け、ニセコの地元学に挑戦しました。
  • 注2:「ワークショップ」=まちを知る調査(地元学の手法により身の回りを調査)を始め、参加者全員が目で見て体験する中で、発見や問題を整理する取組みです。今までに、町内の農家、商店、川、水源などを調査しています。

2)計画の位置づけ

 本計画は、『ニセコ町総合計画』が定める環境に関する基本的方向に沿ってより具体的な方策・手だてを講ずるものです。また、具体的な手だてごとに、町民、地域コミュニティ、事業者、行政それぞれの行動項目を定めます。これは、『ニセコ町総合計画』にもとづく個別事業に対応するものです。このように、本計画は『ニセコ町総合計画』と密接な関連性をもって、実効性を確保していきます。

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